小さな秘境の島、『カミギン(Camiguin)』へ! 2日目

旅する

ココナッツが・・・!

 早朝、旅行の日課となっている海岸散歩に出る。今日は朝から風が強く波も高いな、と思いながら歩いていると、背後で『ゴンッ』と音がした。びっくりして振り向くと、なんとそこには木から落ちたばかりのココナッツが!え、こんなミラクルある!?と朝からテンションが上がる。迷わず手に取ると同時に、頭にヒットしていたら死んでたな、という思いがよぎる(笑) というのも、ココナッツってめちゃくちゃ重い…。軽めのボーリングの玉レベル。

 散歩もそこそこに、ホテルにココナッツを持ち帰り、落ちた際にできた亀裂に全パワーを注ぎ込んでみる。が、びくともしない。フォークを亀裂に差し込み、全パワーでザクザクしてみる(笑)。あ、ちょっと亀裂が広がった!再度亀裂に指をかけて、こん身の力でその実を割ろうと試みる。が、無理(笑)。なたでも手に入れない限りこれ以上は無理。というわけで、わずかにできた亀裂からしたたり落ちるジュースをくむ。ドキドキしながら口に含む。うむ、ブコジュース!ブコジュースは町の至る所で売られており、想像通りの飲み慣れた味だったが、カミギンがくれたサプライズギフトのようで、心が躍った。
(『ブコ』とはビサヤ語で『ココナッツ』のことだ。ビサヤ語については【『ビサヤ語(Bisaya)』を学ぶ】参照。)

カティパワサンの滝(Katibawasan Falls)へ

 カミギンにはいくつか「滝」スポットがある。そしてそのほとんどで遊泳可。その中でも高低差が70mもあるという『カティパワサンの滝』に行ってみることにした。

 一応遊泳可に対応しうるべく水着を着用しホテルを出発。ホテルからはそう遠くないため、30分とかからず到着。入口で入場料(75ペソ)を払い、ゲートをくぐる。かわいい猫がお出迎え。うっそう緑が茂り、ひんやりとした空気が心地よい。セブの排気ガスにまみれた町で生活していると、自然が放つ『マイナスイオン』なるものを切望するようになる。ここにはそれがある気がする。大きく息を吸い、体内の血管を流れる『気』の浄化を試みる。

 入口をまっすぐ進むと、すぐに滝が見えてきた。おお、確かに高い!崖を覆った緑の中に一筋流れる白糸が美しい。運よく天気にも恵まれ、空の青と緑と白のコントラストに夢中で写真を撮る。
 水浴びをする観光客を数人見かけたが、私は少し離れて壮観な滝の景色を楽しむことに専念した。

『ランソーネス(Lanzones Farm)』ファームへ!

 カミギンは『ランソーネス』という果物が有名だ。そしてそれは私の好物でもある。『ランソーネス』は9月ぐらいからセブの街中でもよく見かけるようになる。見た目は薄茶色の巨峰。味はライチのように甘い。

 このファーム、感じの良いカフェがあり、『ランソーネスのミルクレープ』なるものが食べられるらしい。ミルクレープ大好きな私としては見逃せない。このカフェは、ケーキを買うと飲み物がついてくる。ミルクレープはホテルのバルコニーで景色を見ながら楽しみたいため、お持ち帰り。カプチーノだけその場でいただくことにした。ファームにたたずむオープンカフェは、涼しい風も入り、周りを囲む緑に心癒される。

 ランソーネスの時期には少し早かったものの、木に実るその実を初めて見ることができた。実は葡萄に似ているが、なるほど実のつけかたは全く異なる。こうやって実をつけるのかと知れただけでもファームに来た甲斐があった。

荒れ狂う海

 今日は干潮に合わせて夕方『ホワイトアイランド』に行く予定をたてていた。『ホワイトアイランド』とは、干潮時に現れる真っ白な島のことだ。カミギン観光の目玉的存在。なので一応押さえておかねばと思い予定に入れていた。
 しかし、今日に限って海は大荒れ…。カミギンとホワイトアイランドを往復するアンカーボートは全て陸にあげられている。一応ボート乗り場に出向いてはみたものの、やはり欠航・・・。誰もいない…。

 まぁしかし、正直なところ、フィリピンでは干潮になると現れる島はそこかしこにある。それに加え、何もない島に3時間も滞在する自信がなかったため(島の滞在には3時間までの時間規制あり)そこまで後ろ髪をひかれることもなく立ち去った。

教会跡(The Old Church Ruins)に行ってみよう!

 大しけによるホワイトアイランド行き断念のため、夕方の時間が空いた。そこで、行けたら行こうぐらいに予定していた『教会跡』に立ち寄ることにした。
 とは言うものの、グーグルマップ先生の教えによれば、4時閉館!今4時(笑)!ダメ元で行ってみよう。

 普通にまだ開いている!案内を見てみると、どうやら5時まで開いているらしく、先生を盲信して諦めずによかったと思う。


 入口で入場料(50ペソ)を払い、歴史を感じる石造りのゲートをくぐる。そこにはバスケットボールコートひとつ分ほどの開けた空間があった。四方を石を積み上げた壁で囲まれ、壁の外から伸びた小高い木々が天井のごとく空を覆う。石の壁には蔦(つた)がはっており、朽ち果てた建物の長い歴史を感じさせる。思った以上に良い。人が造った構造物が朽ち果てて自然と交わり淘汰されていった感じが物悲しくもあり、厳(おごそ)かでもある。いわゆる『パワースポット』とはこういう場所のことを指すのではないかと感じさせる所だ。その一要因を担うのが樹齢400年の『Camel’s foot tree (コチョウボク)』だ。樹齢2000年以上とされる日本の縄文杉と比べれば、まだまだひよっこではあるが、南国育ちのこの木、空に向かって大きくそびえ立っている。『Camel’s foot (ラクダの足)』と呼ばれるように根本が大きく広がっていて、大人5人ぐらいを抱き込めるほどのスペースを作っている。廃墟と化した教会と、そこに静かに侵食する草木が一体となり、人の世と、人でない世の中間にいるような感覚に囚われる。来てよかった。海が大しけでよかった(笑)。

今日を占めるカミギンディナー

 今日は、一日目【『小さな秘境の島、『カミギン(Camiguin)』へ! 1日目』参照】に訪れたマグロレストランに寄って、マグロのカルパッチョっぽいものと、エビのガーリック炒めを買っておいた。さらに、昨日からお世話になりっぱなしのカレンデリアでナスのサラダなどのおかずを購入。ホテルでは冷えたビールが主人の帰りを首を長くして待っている(笑)。ビールだけではない。『ランソーネスファーム』で買っておいた『ランソーネスのミルクレープ』も帰りを待ってくれている(笑)。

 ホテルに着いて、はやる気持ちを抑えつつシャワーを済ませる。今日は昼から続く強風のため、バルコニーでの食事は断念…。部屋のダイニングテーブルにカミギンの幸をセッティング。いただきまっす!

 食後はいつものルーティーンだ。ビールの後のウイスキーを片手に、奇跡の星空を期待しながら今日を振り返る。今夜は星は難しそうだな…(笑)。

【小さな秘境の島、『カミギン(Camiguin)』へ! 3日目】へ続く…。

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