私の週末は朝さんぽから始まる。4時ごろに起床し、まずコーヒーを淹れる。ベランダでコーヒーを片手にベンチに腰掛け空を見やる。夜明け前の最後の星のまたたきから、運がいい日はオレンジやピンク、紫に色味を帯びていく空をのんびり眺める。やがて空がいつもの青を取り戻した頃、近所をさんぽするのが日課だ。


セブには夏しかないと思っているが、モールでは『サマーエンドセール』なるものが開催されることがある(笑)。そこでフィリピン人の同僚にたずねてみたことがある。夏が終わると次の季節は何が始まるのか。すると、『雨季』と返ってきた。『もっと暑い夏』と答えた同僚もいたが(笑)。とりあえず、フィリピンでは季節は2つ、『雨季』か『雨季じゃないか』である。あえて『乾季』と言うのを避けたのは、年中雨は降るからだ。フィリピンの季節を改めて意識してみると、確かに8月をすぎた辺りから日が短くなった。セブでは夜に雨が集中的に降ることが多いため、窓を開けて寝ると寒い時さえある。そんな気温の変化を考えると、なるほど、マンゴーやアボガドなどの果物にも確かにシーズンがある。
一方で、季節に関係なくさんぽ道でいつも見かける果物や花も少なくない。四季折々とはいかないが、年中花が咲き乱れ、実が実るのもまた良いものだ。


なんだ、あれ?ちっちゃいスイカの赤ちゃんみたいなのがたくさんなっている。赤くなってるのもあるぞ。グーグル先生にたずねてみた。これは『カラスウリ』というらしい。実が若いうちは食べることもできるらしい。生薬にもなるとのこと。なるほど、勉強になりました。


家の近所をさんぽすると、当たり前にパパイヤが実っている。バナナやココナッツも身近な植物だ。至るところで実をつけている。
聞いたところによると、バナナは正確には木ではないそうだ。一度実をつけたら朽ち果てて、また新たに根を伸ばして新芽を伸ばすらしい。セブに来て、ココナッツ同様にバナナの万能っぷりにも感嘆した。バナナはその実はもちろん、花も食す。バナナの花は『バナナハート』と呼ばれ、サラダに使われているのをよく見かける。また、葉はお菓子やご飯をくるんで蒸したり、そのまま皿代わりにしたりと大活躍だ。


パパイヤは一つの幹から鈴なりに実をつける。パパイヤも万能な果物(野菜?)だ。青いうちはサラダはもちろん、炒め料理にも使えるし、実が黄色く色づき始めると甘さが増して日本のうりのようにさっぱり食べられる。さらにその実がオレンジになってくると、濃厚な甘みがまるで夕張メロンのようだ。
歩を進めていくと、ヤギも登場。セブでは少し田舎道に入るとよく見かける。人間には目もくれず黙々と草を食べている。放し飼いヤギも多いため、道路で見かけることもしばしば。子ヤギ、かわいい。


最近さんぽの度に気になっているのが、この超鈴なりのジャックフルーツ。この木の横を通る度に熟しきった実が地面に落ち、そのまま朽ちていくのを目にする。ちょっと「くれないかな」と思ってしまう(笑)。


このさんぽコースは約1時間。途中においしいエンパナーダ(【セブの路上お菓子Part3】参照。)のカレンデリア(フィリピン版おばんざい屋)があるため、それを目当てによく歩くコースだ。朝のうちは涼しいが、8時を過ぎると日差しが強くなってくる。ほどよく汗もかき、エンパナーダも手に入れたので、さて、帰ってシャワーを浴びて、コーヒーを淹れよう。

