小さな秘境の島、『カミギン(Camiguin)』へ! 3日目

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いざ、マンティゲ島(Mantigue island)へ!

 さて、4日間のカミギン旅行もはや折り返して3日目。この日はカミギン島の近くにある島、『マンティゲ島』に行くことにした。事前の下調べでは、ここでは亀と泳ぐことができるらしい!

 『マンティゲ島』へ行くには、『サン・ロケ(San Roque)』という港から船に乗る。ホテルからバイクで向かうこと30分、見過ごしそうな脇道を曲がればサンロケの港だ。チケット売り場で乗船券(6人まで1隻750ペソ)と島の入場料(一人75ペソ)を支払い、みんながなんとなく待っている木陰でボートの順番を待つ。やがて自分の名前が呼ばれ乗船。いざ、『マンティゲ島』へ!

マンティゲ島上陸

 船から背後を振り返ると、カミギンの火山が見渡せる。7つの火山からなるという島だけあって、こうして距離をおいて海上から眺めてみると大きい山が連なり迫力がある。

 船に乗ること20分ほどで島のビーチが目視できる距離まで来た。船酔い必須の私としてはありがたい距離。島に近づくにつれ、海の色はどんどん透き通ったエメラルドグリーンになっていく。期待がぐんぐん高まる。さあ、いざ上陸じゃ!

 船着き場すぐのビーチでは、先発隊の人々が多数ポージングしながら写真を撮りまくっている。フィリピン人は自撮り大好きな民族だ。日本人は、自撮り=ナルシストと考える人も多く、SNSのプロフィール写真にそれを使う人は少ないと感じるが、フィリピン人にその感覚はない。がっつり自分をアピールしてくる。フェイスブックを見れば、ポーズを決めた写真だらけだ(笑)。島でも同様に、みんなが至るところで究極の一枚を目指しポーズをとっている。
 一生懸命な彼らの写真にカットインしても申し訳ないので、人気のないビーチを求めて島を一周してみることにした。島は白い砂とマングローブの木々で埋め尽くされており、木々の隙間に先人達が残した小道がある。それをたどりながら静寂を求めて散策してみる。マングローブ林を少し進むと、あっという間に人の気配はなくなった。

 時々出くわすのは地元の漁師や工事作業員、そして子供のみ。地元の子どもたちは、岩の上やらボートの上から飛び込んではよじ登りを繰り返していて楽しそうだ。こんなきれいな海が日常な彼らが羨ましい。彼らからの好奇心に満ちた視線を受け流しつつ散策を続けると、思っていたほどの苦労もなく、至る所に小さなプライベートビーチを見つけることができた。旅はいつも次が保証されてはいない。人生で最初で最後のマンティゲ島になるかもしれないからには、最高のプライベートビーチを見つけたい!下見を繰り返し、ここでまったりと過ごしたいと思えるビーチをついに決定!ここだ!

 遠浅の海が眼前に広がり、白い砂浜とそこにたくましく育つマングローブの緑のコントラストがなんとも美しい。左に目を向ければ、カミギン島の火山が見える。ひたすら雄大な海。濁りのない海。最高のプライベートビーチだ。

 潮の関係だろうか、50メートルほど沖に出ても足がつくほどの遠浅の海。残念ながら亀が泳ぐには浅すぎるが、トッキトキに尖ったウニを多数発見。フィリピン人は唐辛子入の酢をつけてウニを食べる。私も一度それを試してみたが、純日本人の私は絶対にそのままがうまいと思う(笑)。捕まえたウニを浜に離すと、上手に波に乗ってどんどん移動していく。そんなウニの行く先を眺めたり、マングローブの木陰に入って持参した菓子を食べたり、波打ち際であえて波に翻弄されてみたり。空間と時間が贅沢すぎる。

 マンティゲ島には半日ほど滞在した後、カミギン島への帰路についた。亀には会えなかったが、なんとも贅沢な1日を過ごせた。

アーデント温泉(Ardent Hot Springs)でまったりしたい

 マンティゲ島からの帰り道、気になっていた『温泉』に寄ってみることにした。7つの火山からなるカミギンだ。もしかしたら硫黄の匂い漂う秘湯に巡り合えるかもしれない。

 マンティゲ島からサン・ロケの港に到着後、空港方面にずんずん北上、途中でいくつか看板が出ており、温泉に行く道は何本かある模様。そのうちの一つを『ヒボックヒボック』と呼ばれる火山の上に向かって登っていくと『アーデント温泉』がある。
 入場料(20ペソ)を払って施設内に足を踏み入れると、バーベキューサイトやベンチが至る所に設置されており、温泉と言うよりは公園だ。ビールを飲みながら仲間でワイワイと楽しそうなフィリピン人がたくさんいる。奥へ奥へと進んでいくと、多くの人が川に浸かっている。これか!一見、いや何度見ても川遊びをしているようにしか見えないが、とりあえず入ってみよう。

 川(温泉)はかなりの深さだ。大人でも足がつかない。が、深さ以上に衝撃なのは、水!ぜんっぜん湯じゃない!『温泉』の『温』はどこにあるんだ!?硫黄の匂い漂う温泉の夢ははかなく冷水に流れていった。まあしかし、空を見上げれば緑に覆われたこの川(もはや私の中では川)。気持ちの良い場所であることには違いない。今日一日塩水に浸かって干からびかけたその身が精気を取り戻していく。とりあえず気持ちいい。
 30分も川に入っていると、体温を奪われてむしろ寒かったため(笑)、ホテルへ戻ることにした。


 ホテルに戻り、今日という日を締めくくったのはテラスから眺めた美しい夕日だった。


【小さな秘境の島、『カミギン(Camiguin)』へ! 4日目】へ続く⋯

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